一般的に営業は①「自分が売り込み『相手に買ってもらう』」を仕事にする。それが組織で求められる。この仕事を続けることで「自分の目的『売り込む』」が強化され「相手の目的」の想定が不足していく。思考から具体的な顔が観える相手、自分とは異なる思考と行動パターンを持つ相手が消えていく。数を撃てば当たる確率論の営業は、エンドユーザーに近い仕事をする場合は、相手が多いため許容できる。
しかし、生産財メーカー、中間財メーカーの場合は、数を撃てば当たる確率論の営業は、ある期間限定で、「すでに顕在化している市場シェアを奪う」場合には機能するが、ある一定水準までシェアが増えると機能しなくなる。「営業を増やせば良い」と考えても、人件費をカバーし利益を出せる状態にはならない。
「確率論の営業」「関係論の営業」に変えていく必要がある。
メーカーの社会の中での役割は「世の中が必要とする商品をより広いエリアへ届ける」ことであるため、自分の代わりに「売ってもらう」機能が必要になる。自分の代わりに売ってもらう機能を担ってくれる代理店や流通店の数は限られる。数撃てば当たる式の営業では、自社への損失になる。
この状況を変えていくには、具体的な相手の思考と行動パターン、言語化できないが持っている目的を、相手に仕事で関わる中で、共働する中で、一般論ではなく、具体的な肌感覚をともなった理解をしていく。