YKKとYKK AP創業者 吉田忠雄さんの「もう紙一枚の努力」を科学で読み解く

YKKとYKK APを創業された吉田忠雄さん。弊社が創業する最も大きなきっかけをつくってくれた人。吉田忠雄さんが「できる限り力を出した直後に、もう紙一枚分の厚さの努力をその上に乗せることが大切」だと言っていた。

私のバックボーンは芸術と行動科学。この行動科学には思考も含みます。

「できる限り力を出した直後」は、当然、身体が疲労している。思考がいつものように論理的に機能しない状況にある。身体感覚が優位になる。つまり、前頭葉の機能低下が起きている。創造の研究者のチクセントミハイさんが言われるフローに入りやすい状態。武術家・武術研究家の甲野善紀さんが言われる「矛盾を矛盾のまま矛盾なく取り扱う」ことができる状態。

つまり、通常であれば常識に従って判断していることから抜け出せる。常識の中には機能しなくなっているものもある。

一流の棋士の方々が言われる「定跡(常識)を研究、自分で結論を出しながらも、常識“外”の手を打つことが、拮抗する力のある人の中から突き抜ける」。これを実践できる状態。

「もう紙一枚の努力」の根本には善之巡環という精神・思考がある。相手の利益をはかることで、自分の利益を得る。あたりまえのことだが、組織にいると、どうしても組織の都合や自分の都合を相手に押し付けてしまう。そのような習慣が知らず知らずのうちについてします。その習慣には自分は気づかない。

「もう紙一枚の努力」は徹夜をしろと言うわけではない。相手の利益をはかるために、一生懸命はたらいた直後に、前頭葉の機能低下を活用して、相手の利益の本質にせまる。そうゆうことだと、私は実践しながら、実践結果を行動科学と脳神経科学の理論でひも解いている。

この「実践、そのあとに理論」は大和ハウス工業の創業者 石橋 信夫さんも言われている。

善之循環を実践しながら人間の行動と思考を科学することで、今始まっているAIとOCRに連携したRPAロボットと共働していく際の人間の役割が観えている。

※参考:【日本初】No.1になるためのフローハッカー™「Hacking flow training」発売