気づいてもらうには?

~「経験しないから気が付かない。気が付かないから成長しない」を変える~

具体的なやり方を上司から教わっても、部下はそんなことは「わかっている」「やっている」「できている」と思っている。

具体的にしなければ、行動ははじまらない。しかし、具体的にすればするほど、1つ1つの行動は誰でも知っているものになる。その結果、相手は行動をはじめない。

上司は部下を「わかっていなかった」「やっていなかった」「できていなかった」に変える必要がある。そのためには、部下が実際にやってみて経験し、肌感覚の記憶を増やしてもらう必要がある。これをせずに、上司が自分の経験から良かれと思って、部下に具体的に教える。部下はその場では聞いている姿勢をみせるが、実際はおぼえていない。

原因は部下の「言われなくてもそんなことは『わかっている』『やっている』『できている』」認知の歪みにある。

上司が部下に「わかっていない」「やっていない」「できていない」と何度伝えても効果は無い。お互いの関係が悪くなり、さらに部下が聴く耳を持たなくなる。小さなつまずきを経験し「わかっていなかった」「やっていなかった」「できていなかった」に変える。この状態になることではじめて知識や技術を身に付けようとしはじめる。部下が上司のアドバイスを聴く状態になる。

知識や技術は、具体的な問題に直面し、つまずく経験をすることで欲するようになる。上司が部下に言葉で具体的に伝えても、相手はレベル感や程度を想定することはできない。想定にはやってみて経験から得られる肌感覚の記憶が必要になる。

しかし、人間はつまずきを回避する。つまずきの回避を抑制するためには、

1.具体的に頭ですぐにわかり
2.すぐに記憶ができて
3.やってみる負担感が無く
4.やることで得られる快が想定できる

1から4がそろうことで、部下の行動が始まり経験し「わかっていなかった」「できていなかった」に気づく。

成長したいなら、せめて「自分が経験していないことは『わからない』」と考えた方が良い。