リサーチはそもそも何のために行うのか

リサーチをする。その結果をまとめる。しかし、事業創造、新たな需要創造が進まない。このような現実を、約20年、500社以上の企業で見つづけている。この担当者はとても頑張っていた。とても真面目で、分業化された組織の中で優秀だと評価されていた。

分業化された組織の中で優秀な社員の9割以上は、問題が目の前にあると、迅速にその解決策を考える習慣を持っている。同じような仕事を繰返し行っているため、過去に類似する問題を解いている。学習効果が発揮されている。

他社の動向をリサーチする。市場規模をリサーチする。市場の競争環境をリサーチする。様々な情報を集めてくる。そこから解決策を迅速に導き出そうとする。その結果、事業創造、新たな需要創造が進まない。進んだとしても成果を得ることができない。

解決策を迅速に導き出す。これは事業創造、新たな需要創造ではマイナスになる。創造する場合、そもそも解くべき問題を創ることからはじめる必要がある。問題解決よりも問題の創造が重要。問題を創造するためには、現状に違和感を抱いている必要がある。その違和感が何かを内省し観る。リサーチし、インプットを増やしながら違和感が何かを検証していく。その過程で何が解くべき問題なのかが観えてくる。

つまり、リサーチは違和感を明らかにし、解くべき問題を検証するためのインプット。

リサーチをして市場を把握しようとしても、これから創造する新たな需要はみえてこない。