デジタルベースのクリエイティビティ。アナログベースのクリエイティビティ

アナログベースのクリエイティビティは、デジタルベースのクリエイティビティに置き換えられていく。各業種・業態で、デジタルベースのクリエイティビティが立ち上がってくるまでには、2年から5年はかかる。デジタルベースのクリエイティビティの基盤ができはじめると、精度の良いインプット量が一気に増える。そのインプットを活かし、相手の望むゴールを想像し、必要とするアウトプットの“たたき台”を創ることができるようになる。そのたたき台を使い、相手と対話をすることができはじめる。

デジタルベースのクリエイティビティの基盤ができるまでは、アナログ世代が「それは〇〇のコピーだよね」「新しいことがないようね」とフィードバックする。それは正しい。しかし、精度の高いインプットは確実にパターン化される。オブジェクト・ファミリに属性が付き情報を格納できる。上流工程から下流工程まで(この上下には上下関係はない。どちらも等価)、それを加工・編集するスキルも学習されていく。「〇〇は新しい」と評価される確率は上がっていく。相手もデジタルベースが普通になっていく。この状況は、業種・業態により発生する時間差はあるが、ある時から一気に加速する。

デジタルベースで関わり、最後の関りはアナログになる。そこで、創造力・クリエイティビティが発揮される。そのためには、アナログで人に関わるやり方が必要になる。ただし、この段階のアナログでの人との関わり方は、うすっぺらい関りではない。相手の利益をはかる。そのレベル。相手の言うことに対処するレベルではない。

アナログベースのクリエイティビティの良さもわかる。私自身がその世代の最後の世代だからよくわかる。「それ新しいよね!」と言われることが喜びでもある。しかし、アナログベース・クリエイティビティだけでは、仕事をなくすことも、一回り以上離れた次の世代と関わっていて日々、感じている。

儒教の名残が常識の中にある世代と、そうではない世代。関わるコードは異なる。尊敬を表すコードも異なる。しかし、相手のことを考え、相手と関わり話をし、案を示唆して、相手が今よりも成功できる関りができれば、相手は尊敬してくれるようになる。言葉づかいではなく。

表面的な継続される関わりから、人間が相手のために関わり相手がより良くなり、その結果、自分が繁栄していく。その環境がデジタルベースになっていくと、はじまっていく。まともな関係ができていく。