周囲の人のために「〇〇はとてもすごい!」と悪気なく伝える。相手のためを思って熱量高く伝えている。しかし、その相手は現業があり、達成感や評価・承認されるまでに複数年かかるイメージが立つ。その結果、関係性が悪くなっていく。相手は「なんか嫌味な感じ」となっている。
この場合、伝え方に問題がある。検定試験、資格試験のような実務で、相手の現業ですぐに使えるカタチで伝えることができていない。基本知識〇〇編、基本技術〇〇編のようなカタチで伝えてしまっている。伝えて側は、ある程度以上に特定の業務に習熟している。その前提を忘れ、相手に伝えてしまう。相手は検定試験のような技術と知識を熱っぽく伝えられても、それを自分の業務にどのように展開していけば良いのかがわからない。それは自分で考えられるから大丈夫。と言われることがあるが、相手の10人中9人以上はそうではない。良い話なのはわかる。しかし、いざ現業で使うとしても、どうつけば良いかがわからない。
伝える側の想像力、受け手の想像力を高めていくトレーニングがされていない結果、伝えて側の善意は、受け手にとって悪意に近いものになる。
組織を維持していくには、ある程度、想像のスキルを共通言語のようにそろえていく必要がある。お互いに誤解し、不信感を創らないためにも。不信感は創造力を低下させる。新たな需要が生れなくなる。
善意でやっている人が報われる。善意でやっている人が、経験値と知識量で異なる相手のパフォーマンスを上げることに貢献できる。このような環境をつくっていきたいと20年前から思い続け、この仕事を続けている。