まずは、相手の目の前のつまずきを具体的に想像する

相手に信用してもらう。信用してもらえなければ、話を聴いてはもらえない。

どのような人であっても、目の前にはつまずきを抱えている。そのつまずきに気が付いていないことがある。つまずきに気が付くには、正しい状態の具体的なイメージが必要になる。その正しい状態と今を比較することで、自分がつまずいていることにようやく気が付く。

そのつまずきを“越えてもらう”具体的で負担感の少ないやり方を創る。

負担感を下げられない場合は、そのつまずきを“取り除く”ツールを創る。

このいずれかを相手に提供することで、相手は目の前のつまずきを越えることができる。

先々の目標は必要。その目標を達成するシナリオも必要。目標を達成する考え方も必要。必要な物は多い。しかし、これらがあっても、目標達成は難しい。目の前でつまずいているため。そのつまずきに気が付いていない場合もある。この目の前のつまずきの先に移動してもらう。それができる。もしくはそれができそうだと相手が思えるようにすることで、少しは信用してもらえるようになる。

信用してもらえていない状態で、説明をどれだけ熱心に、完結かつ具体的にしても、相手は聴く耳をもたない。自分の立場からしか想像ができない場合、このような状況に陥りやすい。自分の立場を離れる、つまり相手の立場を想像するには、相手の情報が必要になる。相手の置かれている状況、相手の生活・仕事のパターン、相手の思考パターン、どれくらい先まで観ているのか、1日完結なのか、1週間完結なのか、1ヶ月、3ヶ月、半年、1年、3年、5年なのか。相手と話をしながらこれらの情報をインプットし想像していく。

これは多くの人が誰でも頭では理解できること。しかし、これをふつうにやっている人は少ない。想像する。言葉は誰でも知っているが、具体的にどうやれば良いのかを体系的に学習している人はさらに少ない。

環境が変わる。過去のやり方がそのままでは使えない状況になる。その際に、想像するスキルが必要になる。想像するスキルがあっても、相手の目の前のつまずきを無くす打ち手を創造できなければ、そもそも、その想像にかけて時間はムダになる。