「考える」は「想像した」ものごとを検証するための手段

考える。論理的に考える。

そもそも、何を論理的に考えるのか。多くの場合、考える際には文字、文字列を使う。文字・文字列を使い、絵を描くことは難しい。絵は空間と時間軸、ありえない状況を創り出す変数が含まれる。しかし、文字・文字列で絵を描くことは、ほぼ不可能に近い。

にもかかわらず、「考えることが大事」「もっと考えて」「論理的じゃない」などの言葉が発せられる。

まず大切なことは、絵を頭の中に描くこと。絵は空間と時間軸、ありえない状況を創り出す変数からなっている。頭の中で具体的な場面で、具体的な人が、具体的に動く。そこに新たな環境設定をする変数を置き、シミュレーションをする。その状況が果たして、現実になるのか、ならないのか。それを検証するために文字・文字列がある。検証したものを、実際にやってみる。そして実際の反応をもとに再度検証をかけていく。

まず、頭の中に絵を描く想像力を体系的に身に付ける。その上で、考える、特に論理的に考える手段を身に付ける。この順番が逆、もしくは、論理的に考えるだけで終わるケースが圧倒的に多い。その場合、出てくるアウトプットはどこかでみたこと、聴いたことがあるもの。それでは、新たな需要創造には至らない。

論理優先の人に問いかけたい。「それは新しいのか?」。芸術系の教育では、ふつうに飛び交うフィードバック。しかし、「それは新しいのか?」だけのフィードバックだけでは、現実は変わっていかない。新しいものを出していく場合、受け手の常識・受け手のルールを熟知する必要がある。1人では何も変わらない。ただの自己都合・自分都合は、人を幸せに、楽しくすることはない。