相手に気づいてもらう想像力。正しい常識を具体的に伝える

相手の常識、ふつう、あたりまえ。その中に、上手く機能しなくなっているものがある。

例えば「モチベーションを上げる」。これは組織のマネジメントでは、あたりまえの常識。しかし、上司が部下に期待を伝え、鼓舞をしてもモチベーションがさがる。なぜか?部下は何を具体的にしたら良いかがわからないため、動くことができない、もしくは動いても達成感や承認が得られない。その結果、上司に上げてもらったモチベーションは、下がっていく。

「モチベーションはやってみた結果」「やってみた結果、少しでもうまくいったり、注目されたり、認められたりすると、モチベーションはあがる」。これは相手の常識ではない。相手が「はっ」とする。興味関心が湧いてくる。

挨拶をする。しかし、つづかない。「元気よく挨拶をするように」と周知徹底しても、挨拶は続かない。挨拶をした直後に、挨拶をした相手が挨拶を返してくれない、もしくは返してくれても小さな声、目を合わせてくれない。その結果、挨拶をするモチベーションは、どんどん下がっていく。「元気よく挨拶をするように」周知徹底するが機能しなくなっている常識。

「挨拶をされたら相手の眼を観て、挨拶を返す」これが挨拶を継続させていくポイント。

「安全は押さえつける」「安全はルールでしばる」。これも常識になっていることがある。安全なことがらは、やっても達成感が発生しづらい。その結果、続かない。その結果「押さえつけたり」「ルールでしばるようになる」。押さえつけられる、縛られると、人間は自発性を無くしていく。本来やってほしいことすら、やらなくなる。

「安全は負担感が少ない小さなことにする」。負担感を少なくすることで、やりやすくなる。人間、難しすぎること、負担感が高いことは回避する。できれば「周囲の人達が、安全に関わることをしている人の行動を認めた上げる」。

「管理監督者は部下を管理する」。これも組織の常識。しかし、オンラインが仕事の中に入ってくると、管理は機能しなくなる。相手がみえなくなるため。

「管理監督者は部下を管理しない」。その代わりに「部下のつまずきを、話をしながら想像し、取り除き、できることを増やす。その結果、自発的にする」。

「営業はクロージングをかける」これも常識。しかし、オンラインが営業に入ってくると営業がかけたクロージングを、お客様はいつでも簡単にシャットダウンできる。営業から目を外す、スピーカーの音量を下げる・消す。簡単にシャットダウンできる。

「営業はクロージングをしない」。「その代わりに、お客様が『導入する場合は』のようにクロージングをして欲しいと言ってもらえる一連の流れを設計する」。これが正しい常識。お客様が「したい」と思う。それをサポートする。それが正しいクロージング。長く関係をとっていくには、その場だけの策略は機能しない。

相手の常識、ふつう、あたりまえ。その中に、上手く機能しなくなっているものがある。それを話の中から見つけて、正しい常識、ふつう、あたりまえを、ふつうに伝える。相手は「はっ」とする。

相手の中でもやもやしている常識を想像する。正しい常識を伝える。相手は「はっ」とする。気づきが得られる。気づかなければ、行動はなかなか起きない。