イノベーションを担当する部署が、他社事例や成功事例、失敗事例を欲しがる。事実っぽいことを事実のように根拠にする。想像力が止まる

答を探そうとする。正解を探そうとする。ゴールイメージを人から求めようとする。

イノベーションはゴールに向け、課題を設定し、課題を解決する具体的なやり方を企画する。やってみる。上手くいかない。しかし、小さな望ましい反応が起こることがある。その反応をもとに、やり方を変える。もしくは、課題を設定しなおす。それを毎日、毎日、できるかぎり回数を多くやり続ける。時間がある限り。達成感や承認が発生しづらいため、続けることが難しい。数週間に1回、物事の観方が変わる。物事の観方が変わることが達成感になっていく。その積み重ねがイノベーションを生む確率を上げる。

にもかかわらず、イノベーションを担当する部署の人達が、他社事例や成功事例、失敗事例を欲しがる。これらの事例を求めることが、そもそも、イノベーションを生まない。事例から出てくる教訓は「資金が尽きる前に、高速で実験検証を続ける」それだけ。

ゴールに向け、検証する仮説、仮の課題や仮のシナリオ、仮のやり方の精度を上げるためにインプットを増やす。インプットを増やすために、上手くいかないのがふつうで、やってみる。そして、反応を得て、仮の課題・シナリオ・やり方を検証する。そのためには、想像力がいる。想像したイメージを操作する。そのイメージが本当に正しいのかを検証するために言語がある。ロジックがある。想像力がないまま、ロジックを使っていては、イノベーションは確実に、生まれない。

就業時間の概念が阻害要因にもなる。