マネージャー・リーダーは、中堅社員が動機づくビジョンの想像が必要

数年前に問い合わせがあり、商談に伺った企業。成約には至らなかった。その企業の代表から数年ぶりに連絡があった。

5つの営業課がある。そのうち2つの課で戦力になっている中堅社員が辞め続けている。1つの営業課で昨年から1年間で5名の中堅社員が辞めた。もう1つの課では同じく1年間で3名が辞めた。すべて全社の数字に大きく貢献している中堅社員。給与と賞与は業界の中ではトップクラス。評価も適切に行われていることは知っていた。

話をする中で問題が何かが観えてきた。辞めた8名の中堅社員を束ねているマネージャーが、中堅社員が動機づくビジョンの想像ができていないことを。数字がつくれる中堅社員以外のミドルパフォーマーやローパフォーマーの場合、マネージャーが関わり、できることが負担感少なく増えるように教えず示唆し、達成感を体感できるようにする。そして、できればマネージャーが、ミドルパフォーマーとローパフォーマーができるようになったことで、継続して欲しい行動と思考を認めていく。そうすることにより彼ら彼女達は自発的になっていく。自発的になることで、自ら成長をしていく。

しかし、戦力になっている中堅社員の場合、それでは動機づけられない。彼ら彼女達が動機づくビジョンをマネージャーが関わる中で想定し、検証し、想像し、ピンポイントで伝えていく必要がある。

戦力になっている中堅社員であれば、自分のこれらか先くらい自分で考えられるだろうと、私も思う。しかし、そうではない。想像することは難しい。夢やビジョンと言うけれど、どれだけの人達がそれを持っているのか。恐らくごくわずか。マネージャーやリーダーですら、ビジョンを持っているかどうか。

だからこそ、マネージャー・リーダーは、中堅社員が動機づくビジョンを想像できる体系だったスキルを身に付けて置く必要がある。また、そもそも、このマネージャー・リーダー自身が、自分が動機づくビジョンを持っているかと言うと、そうではなかった。

想像する場合、文字(言葉)がメインで想像する人。

イメージがメインで想像する人。

イメージがメインだが、そのイメージを文字(言葉)で検証する人。

大きく3つのタイプにわかれる。マネージャーやリーダーは“イメージがメインだが、そのイメージを文字(言葉)で検証する人”になっていく必要がある。

自分が動機づけられるビジョンを持つことで、困難があり、達成感や承認を数カ月得られなくても、自己コントロール感を得ることができる。その結果、困難を乗り越えていくことができる。

中堅社員だけではなく、外部のパートナーが動機づけられるビジョンを想定でき、相手の言葉で伝えることができる。そのスキルがマネージャーやリーダーに必要とされている。