俯瞰する。視点を変える。視座を上げる。言葉は簡単。実行は困難

俯瞰する。視点を変える。視座を上げる。このような現状を客観視する言葉は、新たな需要創造、それに関わる戦略構想時に使われる。しかし、ほんとうにできているのか。

俯瞰する、視点を変える、視座を上げる場合、内省が必要になる。内省にはイメージと文字の両方が必要になる。ロジック重視の場合、どうしてもイメージが不足する。イメージ重視の場合、言語での検証が不足する。ロジックとイメージの両方を、体系立ってトレーニングされた人材は極めてまれ。

にもかかわらず、俯瞰する、視点を変える、視座を上げるのような言葉が、ある階層以上では、ふつう・あたりまえに使われる。もし、俯瞰する、視点を変える、視座を上げるが実際に正しく運用されている場合、イノベーションというスローガン言葉が飛び交うことはなくなる。スローガンがいかに実効性が無いかが頭と体で理解できているため。

戦略構想も同様。ロジック優位では機能しない。そもそも、戦略は今までにない状態を、現在の戦闘力で目指すための道筋。イメージとそのイメージに変数を加え、イメージを変容するスキルが必要になる。

曖昧な言葉を使った場合、それがそもそも何なのか。それを深掘りしていく習慣がないと、スローガンを発した人だけが、そのスローガンを発した直後に得られる小さな快を得て、それでおしまいになる。もしくは、それを素直に受け入れ時間を投入する幹部社員の人件費をムダに使ってしまう。