オンライン営業へ切り替えていく際のボトルネックとその取り除き方

名刺を交換する。名刺の情報からアイスブレークをするきっかけをつくる。「はは、そうですよね」のような愛想笑いと相槌をする。かしこまった一連の儀式。

この儀式がオンライン営業では必要なくなる。にもかかわらず、導入時にかしこまった儀式化されたアイスブレークする営業担当者が、まだ残っている。営業を受ける立場からすると、この儀式に費やす10分前後の時間がムダ。営業担当者の話を聴かずに、メールチェックや仕事をしてします。この時点で、商談は終わる。

お客様が営業担当者に会う目的は、今抱えている問題を解決するため。そもそも、解くべき問題、自分にとって未知問題に気づかせてもらいたいため。にもかかわらず、オフライン・直接対面で接触する営業時と同じ儀式をされると、営業担当者の話を聴きたくなくなる。

では、営業担当者はどうすれば良いのか?

①【他社が抱えている具体的な問題を伝える(みせる)】

・その問題が、相手が既知の問題の場合はスライドに8つ以上並べる

・その問題が、相手が未知の問題の場合は1つでもかまわない。

他社が抱える具体的な問題を伝える目的は、相手が抱えている問題を具体的に教えてもらうため。「〇〇さん(の組織)はどのような問題を抱えていますか?」とヒアリングされても、そもそも、自分が抱えている問題、本来解くべき問題に気が付いていないため、正しく答えることができない。問題が何かと聴かれれば、とりあえず思いつく、表層的な問題を伝える。表層的な問題を解決するやり方(製品)を提案されても、意思決定時に承認されることはない。インプットがない状態で、アウトプットを求めても時間のお互いの時間のムダになる。

②【相手が反応を示した問題を具体的にどのように解決したかを伝える】

他社の具体的な問題解決のやり方を伝える目的は、信憑性を上げる、相手が具体的に問題解決を想像できるようにすること。そして、相手がすでに“取り組んでいる”“取り組んでいない”を判断するため。

③【相手が自分だけでは“できない”解決策を伝える】

相手が自分で“できる”解決策を伝えても、商売にはならない。お客様からすれば「良い人」。良い人でも良いが、給与を支払うことができなくなる。そもそも、相手が自分でできる解決策は、商品にはならない。

オンラインの場合は、すぐにその場で動画を流すことができる。言葉で伝えることが難しい場合は、相手が自分だけでは解決できない、そのことがわかる画像を見せるのが効果的。

オンライン営業へ切り替えていく際にボトルネックになるのは、オフライン・直接対面で接触していた時期に身に付けた常識・儀式。この常識・儀式は習慣になっているため、自分では気が付くことが難しい。