思いや使命感は大切。しかし、大事と言うだけでは無責任。言うだけなら言わない方が良い

組織の中で、思いや使命感を持ち、仕事をしている人は、10人中1人いれば良い方。思いや使命感には相手がいる。自分の利益を図るために、相手の利益をまず図る。思いや使命感を持っていたとしても、それが続く人はさらに少ない。思いや使命感を実現するには、達成感や承認がほぼ得られない。上手くいかない中で、試行錯誤をし、たまたま視点や物事の観方が変わり小さな達成感がある。あるときから自己コントロール感が出るようになり続くようになる。この領域も稀。

思いや使命感がないのがふつう。少なくとも10人中9人は。「何事も無く1日が終わって欲しい」「はやく仕事を終わらせたい」これがふつう。この1日単位の時間軸の層に目標管理を入れても、ムダに終わる。1ヶ月以上先の目標達成に動機づけられることはない。

この社員の人達のできることをふやして、組織のパフォーマンスを上げていく必要がある。どのような人も、できることやわかることが増えると小さな達成感が発生し、やる気になる。そして、お客様や取引先、もしくは部署内外の人達から、感謝されたり、認められることで、仕事への思いや使命感が出てくる。

「思いが不足している」というのは簡単。このような人間の行動原理と原則を踏まえた、思いをつくるためのステップを人材育成に組み込んでいるケースはほぼない。多くは「思いが大事」「思いが不足している」とスローガンを言うだけ。それでは、何の意味もない。お互いに時間が無駄になる。