正しい思考には想像力が必要になる

思考力を高めるやり方がある。例えば、原因と結果、手段と目的、モレなくダブりなくなど。簡単に使えて、効果は高い。しかし、このような思考のツールを使う場合、大きく3つの使い方がある。

文字だけで思考する場合と、イメージで思考する場合、イメージと文字で思考する場合。

文字だけで思考する場合、思考は深まらない。なぜか?イメージが不足するため。文字には本来イメージが付随する。イメージがあるからこそ、思考を深めていくことができる。少ない情報の中で、イメージをつくり、そのイメージを動かし、思考を深めていく。深めた思考を検証するために文字を使う。

イメージと文字は思考をする場合に、どちらも必要になる。しかし、イメージをつくり、状況を想定し、その状況を動かす教育は不足している。

思考力をつけていく際に、すぐにはじめられることがある。自分が普通に使っている言葉、ふつうに読み流している言葉に対して「それは具体的に何なのか?」と問いかける。そして、具体的なイメージが出てくるまで、それを続ける。

クライアントと話をしている際に、相手が具体的なイメージを持って言葉を使っているのか、具体的なイメージを持たずに言葉を使っているのかを観察していると、気が付くことがある。オペレーションを回す、つまり、決まった範囲の仕事を、ある程度決められたやり方で回し、生産性が高い仕事をしている人の多くが、どこかで聴いたことのある言葉を組合わせて会話をしていることに。

同じようなことを繰り返し続けることで、生産性はあがる。しかし、同じことを繰返しやることで、考えなくても対処できるように習熟していく。習熟しより相手のために創意工夫できないかを考える人は極めて少ない。その結果、想像力が低下し、思考力が無くなっていく。

物事がうまく流れている環境では、これで問題は起こらない。しかし、物事がうまく流れなくなった直後から問題が発生する。新たなことをはじめられない問題が発生する。当人は環境に問題があるとする。つまり、他責にする。しかし、現実は環境に対応できなくなっているだけ。

すぐにはじめて欲しいことは、自分がふつうに使っている言葉に対して、具体的なイメージが想定できるかどうか。できていなかれば、実際にやってみてイメージをつくること。ネットで検索をしても、イメージをつくる望ましい答はほぼないため。あったとしても、頭でわかっただけで、身体で理解できていない。身体で理解できていないことは、応用が効かない。

111