イノベーションのための“組織と業界の常識のたな卸し”

過去に創造された需要に対処する。需要はいずれなくなってく。そのため、イノベーションが必要とされる。イノベーションまではいかずとも、“挑戦”、“チャレンジ目標”は掲げられる。しかし、分業化された組織で、生産性高く業務を遂行でき、高い評価をされているハイパフォーマーには、実現することができない。

ハイパフォーマーはすでに誰かが創造した需要への対処能力が高い。組織内の多くの人達と比べて、ミスなく、速く既存の需要を確保する対処ができる。生産性が高い。この領域でハイパフォーマー。しかし、イノベーションは、すでに誰かが創造した需要への対処ではない。今まで、組織が対処したことのない需要を、新たに開発、開拓、創造すること。既存業務のような目の前の、月末の数字を達成し、達成感と称賛(承認)を得ることはできない。考え方もやり方も続けるための動機づけ条件も変わる。この変化に対応できる人は、組織が大きくなればなるほど限られていく。今までのような達成感や称賛を得ることができなくなる。具体的には上長や周囲から評価が下がっていく。人からの承認を拒むハイパフォーマーもいるが、承認されなくなると怒りだす。暴発することもある。

もし、イノベーティブなスタートアップ企業へ投資をし、上手くいきはじめたら自社内に取込み。その資金と人材が不足する場合は、とうぜん組織内でイノベーションを進める必要がある。その場合に、まずお願いしていることがある。

組織と業界の常識のたな卸しをお願いしている。

しかし、これは組織内の人達では難しいようです。なぜか。自分達の常識はふつう、あたりまえのこと。ふつう、あたりまえのことは習慣化され、条件反射化されている。つまり、何が常識なのかがわからない。

組織と業界の常識のたな卸しをお願いする目的は、この常識は過去に誰かが創造した需要へ対処する手段のため。常識が何かを具体的に明らかにし、それを取り除くことが、新たな需要を開発、開拓、創造するステップ1になる。

それから、組織と業界の常識“ではない”ことをする。当然、現状の事業ドメインとの関係を取る必要はある。