ますます、教えるには想像力が必要になっていく

例えば、鉄道や工場でふつうに行われている指差し確認(指差呼称・喚呼)。

確認が上手くできずに、ヒヤリハットが発生する。事故になることもある。

ミスの原因は人間にある。人間の関与を減らすための環境・ハードを変えていく。完全無人化が実現できれば良いが、そうはいかないケースが多い。その結果、かつては2人作業をしていた職場が、1人作業に変わっていく。人件費が削減できるため利益は出やすくなる。しかし、1人作業のため、2人であればダブルチェックができた、それができなくなる。

過去に誰から痛い目に合い、その反省から生まれたルールを守らない。指差し確認のその1つ。ルールは、抽象度が高い。具体的に教えることが必要になる。しかし、具体的に教えることができても、教える立場にある人が、想像力が不足する場合は、具体的に教えても、事故が起こることがある。

指差し確認で、想像力が不足する人が教えることができない小さな作業は何か。

「“確認する対象物”と“その対象物の正しい状態”を比較する」

対象物の正しい状態を具体的に教えずに、指差し確認の手順を具体的に教える。

第3者が観察をすると、適切に指差し確認ができているように見える。しかし、事故が起こる。その原因は、そもそも、確認する対象物の正しい状態がわかっていないことにある。

教える内容を頭の中で、どれだけ具体的に想像できるか。機械化・自動化がデジタルによる進んでいく。教える内容も目にみえる動作、耳で聴くことができる言葉から、目にみえない頭の中に移っていく。目にみえない頭の中を教えるための想像力を高めていく必要がある。