オンライン接触は直接対面で接触する期待値を高める。やり方を変える必要がある

デジタル技術により、直接対面で合わなくとも今、必要だと自分が思っている商品の情報が得られる。Webで資料を請求、その後、パターン化されたアポ取りのデジタルインフラ・インターフェイス越しに、商談日が決められる。年々、その精度があがっていく。アポ取りまでであれば、人間の必要性は限りなくゼロに近づいていく。

実験検証を兼ねて、数カ月ぶりに取引の無いメーカーの営業を、対面接触で受けた。問題はここにある。アポ取りまではパターン化され、不快感の発生確率が下がる。しかし、その後、人間が介在しはじめると、不快感が増す。

1つの原因は、デジタル・テクノロジーによるタッチ・接触が普及することで、直接対面で接触する期待値が高まる。デジタル・テクノロジーによるタッチ・接触が普及するまでは「まぁ、しょうがないよね」と流せたことが、流せなくなる。

営業担当者と話をするなかで、その営業担当者が“自分(自社)の利益を中心”に話をしているのか、“相手の(顧客)の利益を中心”に話をしているのかが、良くわかる。今回、直接対面で関わった営業担当者が所属する企業は、ブランドもあり、製品も良い。その製品を買いたいと思い、直接対面で接触をした。しかし、購入を見送ることにした。その原因は、営業担当者が“自分(自社)の利益を中心”に話をし続けていたため。弊社のメリットは、良くあるような2軸のフレームワークで説明はする。しかし、そのフレームワークに考えを落しこんだ人は、相手の利益をあげ、その結果、自社の利益を得ることを考えていない。表面的なきれい事が、フレームワークに落しこまれている。

さらに、問題提起をしては頂けるが、その問題は知っているし、わかっている。その問題は解くべき根本の問題ではない。デジタル・テクノロジーによるタッチ・接触が普及することで、直接対面で接触する期待値が高まる。弊社が既知とする問題ではなく、未知の領域にある本来、解くべき問題を提起して頂けるのであれば、期待値を越えてくれる。

デジタル・テクノロジーによるタッチ・接触が前提にある場合、営業担当者は顧客が気づいていない未知の問題を提起する必要がある。顧客が常識に、ふつう・あたりまえにしている行動・思考の(組織の)習慣の中で、機能しなくなっているものが何かを、顧客に伝える必要がある。そこをクリアしないと、成約に至る確率は、下がっていく。

営業の役割は、さらに高まっていく。その一方で、必要ではない営業は増えていく。

顧客の利益を上げるために、具体的にどうすれば良いか?

顧客が気づいていない、本来解くべき問題が何かを示唆する。

売り手の立場を優先した価値観は押し付けない。売り手の立場からのあるべき論を言われても、納得感はゼロ。

デジタル・テクノロジーが普及する事業環境で、すべきことは明らか。それをすることで、生き残ることができる。