視点のおもしろみ・味はどこから生まれるのか

リーダーになっていくために、様々な情報、様々な知識を収集する。知識は情報を意味づけることができる。文脈が理解できるようになる。多角的に物事をみることができるようになる。これは大切なことだが、だから何なのか。記憶の優等生のアウトプットは、網羅性があり参考にはなる。整理整頓されているため短時間で消費しやすい。ありがたい。学校の教科書のようで、視点のおもしろみがない。良い人が多いが味がない。薄っぺらいと認知してしまう。人間としてまた会いたいなとは思えない。

“視点のおもしろみ”“味”はどこから生まれるのか。

特定の誰かの利益を創り、自らも繁栄していく。その絵・ビジョンがないため、このような結果になる。今の常識やルールから離れ、絵を描く。その絵の実現可能性を、情報や知識・ロジックを使い検証する。そして、やってみて、また絵を描きなおす。人間らしい営み。

自分の利益だけを追求しても、そもそも利益の原資がない。利益は相手との関係の中で生まれる。この利益は金銭的な利益だけではなく、非金銭的な利益もある。人間、人との関係の中でしか、生き続けることはできない。目先の人との関係性はいずれ破たんする。嬉しくもないのに、楽しくもないのに笑顔を発生する人との取引は、より安いものごとを提供する方を選ぶ。この種類の取引は機械化、自動化されていく。人に会う必要がないため。このようなビジネスの関係は継続しない。

多様な情報と知識の収集・記憶、意味づけ、鵜呑みにせず客観的にみる。このスキルは有った方が良い。しかし、リーダーであれば、それ以上に、優先した方が良いことがある。今の常識やルールを置いておいて、特定の相手と自分が共に利益を得るための絵を描く技術。芸術に触れましょう、芸術を学びましょうという話ではない。これはただの知識になるだけ。無駄なこと。哲学や歴史も同じ。リベラルアーツを身につける目的を間違えている。グローバルビジネスリーダー教育の導入は、各自の守備範囲を把握したうえで、今の常識、ルールを一旦置き、相手と自分が利益を得るために絵を描く。これが抜けたリーダー教育は、主催者の自己の満足でしかない。無駄な投資。

情報と知識を収集・記憶する目的が、自分の自尊心を満たす、優越感を得る、このような自己肯定感を上げることになっている。この目的は否定しない。但し、人に影響を与えてしまうリーダーは、この目的は避けた方が良い。人の人生を狂わせることがある。

自分の本音はどうなのか。そもそも、それが好きなのか。楽しいのか。全員がリーダーになる必要は無い。自分が好きな事、楽しいと思えることは続けることができる。行動、思考した直後に強化刺激が発生するため。小さな達成感、それがなくても、小さな自己コントロール感が発生するため。

やったことがないことは、良い悪いの判断ができない。判断する価値観に問題があるため。やったことがないことを、やる前に良い悪いを判断しようとするリーダーは、リーダーではなくメンバーの役割を担った方が良い。

結局、各人がどう生きていきたいのか。それを仕事をしながら人に関わり答えがすぐにでなくても、考え続けることが大切ではないでしょうか。