“創造”のための想像と“作業”のための想像は異なる

やり方がある程度予測がつく問題解決に取り掛かる。開始直後は負担感がある。しかし、時間が経つとともに負担が無くなり、没入感を得て、楽しくなっていく。目の前の問題解決をするために、次の作業、その次の作業・・・と先を想像しながら進めていく。1つ1つの小さな動作と思考を行うたびに、小さな小さな達成感が発生している。この達成感が作業を続ける没入感をつくっている。

この作業時に時に使っている想像と、解いたことのない未知の問題を解決する時に使っている想像は異なる。作業時の想像は、目の前の打ち手・思考が連続する想像。解いたことのない未知の問題を解決する時の想像は、今との連続性が不足する架空の絵・イメージを俯瞰しながら、細部に入り込み、行きつ戻りつする操作。

作業時の想像力が高まることで、より多くの小さな達成感を得ることができる。やり方に習熟していくことで、より負担感が少なく始めることができる。その結果、創造のための想像をする頻度が減っていく。目の前の作業をすることが、先々の需要創造、需要獲得につながるのであれば、問題はない。しかし、目先の作業をしても、先々の需要創造にならない、需要獲得につながらない場合問題がある。

“想像”。誰でも知っている言葉ですが、1人1人意味づけている、想像しているイメージは異なる。作業のための想像は、業務をこなすうちに身について行く。しかし、創造のための想像は、業務をこなしていてもなかなか身につかない。

単純作業、パターン化できる業務は、機械化・自動化が進む。作業のための想像が価値を生まなくなっていく。