他の人でも“できる”ことは、はやく手放した方が良い

仕事をしていて、ふと思うことがある。

「これは他の人でも、できることだよね」。

こう思ったことは、いずれ確実にそうなる。

そのような経験をしたことがある人は多い。
しかし、なかなか手放すことができない。

自分の役割が無くなる恐さからの回避。
人間の行動原理と原則にそった行動。

とわかっていても、目先の役割が無くなることは、なにか寂しさが発生する。

と言っていても、いずれ自分の役割がなくなることがわかっているのなら、他の人、特に周囲の人で、自分の役割を代わりにやることができる人に、スモールステップで具体的にやり方を伝えていき、相手が動機付くビジョンを示唆して、続けられるように強化していく。

並行して、自分が今後、どうしていくのかを、特定の他人(利益をうむターゲット層)の利益をはかり、その結果、自分の利益になるであろうことを、小さくても良いから始めていく。6ヶ月も毎日、毎日、少しでも続けることで、観えてくる。やったことがないことは、やる前に、良いか悪いかは判断できない。判断する価値観を持ち合わせていないため。

続ける中で「ほんとうに、自分にできるのか」「これで、本当に良いのか」とネガティブなマインドトークが発生する。その際にこのネガティブなマインドトークを「どうすれば、上手くいくのか?」に変えれば良い。変えることを3週間も続けているうちに、ネガティブなマインドトークはなくなっていく。行動科学の習慣形成の原理原則のとおり。

いつ、望む結果がでるかわ、わからない。タイミングもあるため。しかし、つづけているうちに、当初、想定していなかった方向性が観えていくる。それで良い。

他の人でも“できる”ことは、はやく手放すことで、人との関係性もより良くなっていく。人間の創造性は人との継続的な関係の中でしか生まれない。貧すれば鈍す。貧しないためにも、特定の相手の利益をはかり、その結果、自分の利益を得ていく考え方がとても大切になっていく。

人の弱みに付け込む、人を圧力で制する。目先では利益を得ることができる。しかし、そこに継続性はない。自分の立場で考えればわかる。このような人と長く付き合いたいかと言われると、答えは当然、No、嫌。人間が何かを続ける根本の動機付け条件は、好きか嫌いかの判断で、好き、もしくは快がある。不快、嫌いは続かない。 機械化・自動化が進む。つまり、パターン化、標準化できる仕事は、いずれ価値を生まなくなる。人間の根本原理と原則にもとづいて行動と思考をした方が良い。その根本には、相手、とくに利益を今後、生むであろう相手の利益をはかるように日々、思考し行動をする。自分の利益から思考・行動しないこと。

「挑戦することが大事」と言えば、それまで。しかし、人間の行動の原理と原則から考えると、挑戦することは、人間の行動原理と原則に反する。とはいえ、挑戦をしていかないと生きてはいけないし、挑戦することで、人との関係性は今よりもより良くなっていくのも事実。

「いつやりますか? いまでしょ」と言われれば、それはその通り、今だと思います。しかし、人間の行動の原理と原則から考えると、そうはいかない。しかし、今から、小さなことでも、今までやったことのないことを始めて方が良い。

ただし、周囲の人で恩がある人には、筋を通して、その恩にはいずれ、必ず報いることはした方が良い。

論理的とか、クリティカルとか、理路整然ととか、言っていても、結局、人間は感情で動くもの。

感情は、好き・嫌い、快・不快。好きなものごと、その人にとっての快が得られることには近づく。嫌いなものごと、その人にとって不快になることは回避する。それが人間、人間の行動の原理と原則。行動科学は私が好きで、ながく研究開発、実践を続けている理由。