“回避”を“接近”に変える習慣を創れば良いだけのこと

各種アセスメントをやってみて、研究し続けていて思うことがある。

現在まで身に付けてきた能力を、ある枠組みの範囲内で明らかにしてくれる。

潜在的、無意識の特性を、ある枠組みの範囲内で明らかにしてくれる。

身に付けてきた能力は顕在化されているもの。

特性は潜在的なもの。

能力を身に付けるには、ある特定の行動と思考を繰返し行う必要がある。行動科学では繰り返し行うことで、習慣になり、自動化される。自動化された結果、条件反射でできるようになる。つまり、無意識のレベル。まず、おおよそ3週間(21営業日)続けると習慣がはじまる。

無意識を機能させる機構は脳であるとする。脳科学(神経科学)では繰り返し行うことで、神経細胞の新たなつながりができる。もしくは、神経細胞が増え、そして、新たなつながりができている。さらに繰り返すことで、つながりが太くなり(神経細胞の軸索まわりの髄鞘が厚くなり)、情報伝達量が増えかつ、効率よく伝達できるようになる。神経細胞がネットワークをつくるのに28日という実験データがある。

行動科学にしても、脳科学にして、ほぼ同じことを言っている。行動と思考の仕方が変える。そのやり方で約1ヶ月続ける。そうすることで、脳内のネットワークが構築される。その結果、より複雑なことができるようになっていく。

このように考えていくと、各種アセスメントで特性や傾向が示され、現状を分類されなくても、ゴールが何で、そこに行くためには具体的にどのような行動と思考が必要なのかを明らかにし、そして、その具体的な行動と思考の中で、自分が回避する傾向があるものが何かをまず知れば良い。

回避するということは、過去に強化されていない思考と行動。強化履歴にない行動と思考。人間、過去に上手くいった、気持ち良かった結果を得た行動と思考は続ける。その近接領域の新たな思考と行動には“接近”する。それ以外は“回避”する。それだけのこと。

回避してしまう新たな行動と思考に、徐々に慣れていけばいい。暴露法、系統的脱感作、簡単に言えば、負担感が少なくなるまで具体化し、それを階段、スモールステップ化する。そうすることで、回避しづらくなり、接近しやすくなる。

新たなことをはじめる際に、苦手なことを得意に変えていくためのやり方とつづけ方は、すでにある。

では、なぜ、アセスメントが必要なのか。何かをはじめるための心理的安心感を獲得する儀式。人間、不安がある、つまり心理的安心感が不足する環境では学習と成長は難しくなる。この状況を取り除くために、アセスメントは機能する。