現状分析を根拠にした打ち手が、組織をふつうに変えていく

今、○○(他社)が〇〇はじめている。

社会も〇〇に流れていく傾向が見受けられる。

うちも〇〇をはじめよう。

その結果、創業時、成長期には顧客・取引先から強い必要性を求められていた組織・事業は、他社でもできる、ふつうの組織になっていく。ふつうは大事な事。しかし、顧客・取引先は、ふつうの組織・事業を必要とするのか。必要としない。ゆいつ必要とするのは、品質が高く、他社と比べて最も安い商品。これでは、利益は生まれない。いずれ、市場からいなくなる。

これから何が起こるのか。それを今後、人間の行動と思考の習慣を変えるテクノロジーをベースに想像する。その想像した未来に近づくことができる戦闘力が自社にあるのか、ないのか。どれだけ素晴らしい絵が想像できたとしても、それを実現してくのは感情を持つ人間。

現状分析はした方が良い。しかし、現状、つまり過去を根拠にして打ち手を決めることが、ふつうの組織・事業をつくっていくことを理解し、納得の上で進めるのなら、それは良い。しかし、イノベーションとか、挑戦とかをテーマの中に入れているのであれば、ふつうの組織・事業をつくるための現状分析は時間とお金のムダにしかならない。

「それが成功する具体的な根拠(主に他社)は何か?」

このような問いかけを意思決定層がしているかぎり、イノベーションは確実に起こらない。イノベーションを起こし始めているスタートアップ企業を買取、取込んだとしても、スタートアップの成長機会をふさいでしまう。

「それが成功する具体的な根拠(主に他社)は何か?」

の文脈で、ビジネスモデルを構想しても、それを実現する戦略を企画しても、それはすべてムダな時間とムダなお金になる。

新たな事業を創造する前に、想像力を体系的に身に付ける必要がある。想像力はイメージ形成、そのシミュレーションとロジックでの検証。