介護施設スタッフさんの創造力の開発

5年前にお取引きのあったクライアント先から、新たな取組みをはじめるため協力して欲しいとご連絡があった。現在まで5,000日以上、感染症が“ゼロ”を維持し続けている県内で優良な施設。同業者からはこの数字を信じられていない。この数字はそれだけ驚異的な数字。

打ち合わせの結果、“人間の行動原則と原理を踏まえた入居者さんとご利用者さんの「できた」を増やすスタッフさんの育成プログラムづくり”をはじめることになった。

弊社は脳科学、認知科学、行動科学の実験結果にもとづいたスマートクリエイティブマネジメント®、創造力のセルフマネジメント®を中核技術にしている。

人間の行動原則と原理について。

  • 人間は“できること”が増えると自発的になる。自発的になることで行動と思考の量は、やらされ感のある場合と比べ3倍まで増える。
  • 人間には感情がある。感情は“好きか嫌いか”“快か不快か”。
  • 人間は苦通・苦悩を“回避”する。人間は快・報酬に“接近”する。
  • 何かをはじめる前に、やってみた後に得られる報酬が想像できることで、目の前の苦痛・苦悩を回避せずに、接近することができる。ワクワク感が発生する

スタッフさん育成の内容:

①スタッフさんが入居者さんと利用者さんと“信頼関係をつくるために関わるやり方”。

入居者さん、ご利用者さんが、スタッフのことを信頼しなければ、スタッフさんを受入れることはない。受入れてもらえた判断は、相談か愚痴を伝えてくれていること。

②スタッフさんが入居者さんと利用者さんの“気持ちを想像するやり方”。

決められたやり方で物をラインに乗せ製品を製造する。この場合は想像力は必要ない。相手が人間の場合、感情がある。相手に関わることで相手がどう感じ、どう思うのか。それを想像する必要がある。

③スタッフさんが入居者さんと利用者さんの“思い・夢を具体的イメージするやり方”。

自分が「どうなりたいのか?」。この思い・夢が具体的イメージになることで、興味の幅がひろがる。興味があることで、新たなものごとを吸収するようになる。


これらのやり方を、人間のできることを負担感少なく確実に増やしていく“スモールステップ”にそってつくる。スモールステップの小さな階段を上がるポイントは3つ。

やった後に小さな“達成感”もしくは“承認”、“自己コントロール感”を得られる。

この3つの“感”が確実に発生するようにステップをつくっていく。

本来の自立支援は、相手のできることを、相手のペースで少しずつ増やしていくこと。できることが増えることで、人間は誰でも自発的になる。自発的になることで、新たなことに取り組むようになる。新たなことに取り組むことで、インプット・刺激が増える。その刺激が神経細胞の新たなネットワークをつくり、人間としての活動・営みが活発になる。その結果、取組みペースも速くなる。

この考え方と内容を踏まえ、次のステップアップをはかる。