新たなことをはじめた直後の恐さを越え目標に近づくには

新たなことをはじめた直後には、恐怖と希望が共存しはじめる。

「ほんとうに、やっていけるのか・・・」

「タイミングは間違いない!」

このような恐怖と希望をセルフマネジメントするには、目標に近づくための具体的な課題を決め、それを解くための思考と行動を日々、積み重ねていく必要がある。

闇雲に日々、努力をしていても結果が出るわけではない。正しい努力を積重ねる必要がある。この“正しい”はどうすればわかるのか?

YKK、YKKAPの創業者 吉田忠雄さんが世界一のファスナー王を目指し、日々、行動と思考の数を増やし続け構築された善之巡環「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」。当社の考え方のモデルにさせていただいている。他人の利益は、商売であるためお金が前提。しかし、お金だけではない。関わることで他人が笑顔になれる、嬉しくなる、幸せを感じる、前向きになる。これらも他人の利益。金銭と非金銭、両方の利益を他人に渡すことがたいせつ。その根底には相手と自分が一蓮托生の関係まで深め、高めていく生きていく姿勢が必要になる。これは仕事をしながらでしか、身に付かない。頭だけの理解では身に付かない。

吉田忠雄さんが創業された企業で、創造型リーダーを育成するためのプログラム開発に関わらせて頂く中で、行詰るたびに創業者 吉田忠雄さんが書かれた書籍を全て拝読しています。「吉田忠雄さんが今の事業環境で采配をされる場合、どうするか?」。

ご本人ではなく、現在、事業に関わっている方々が中心となり2020年に編集された「みんなに伝えたい世界のファスナー王 吉田忠雄のことば」のページをめくっています。

“「なぜ?をわからないままにせず、調べて確かめようとする気持ちを、好奇心と言います」”

“新しいことを始めるとき(中略)何事も根っこが大切”

この言葉に注意がいく。この言葉は人によって解釈が変わる。経験値、知識の量、置かれている状況が異なると、とうぜん解釈が異なる。そもそも、興味がない場合もある。興味がない人に、どれだけ実践的なことを伝えても、それを現業で使うことはない。

新たな需要を創造できるリーダーを育成する場合、抽象度の高い考え方と具体的なやり方を伝えるだけで終えてしまうと、創造型のリーダーは育成できない。そもそも、興味が湧く気づきを体系的に再現性をもって刺激できるプログラムが必要になる。「そこまでやらなくても、わかるはず」と思うことは、確実に、わかってもらえない。