新たな挑戦を阻害する過去の習慣

過去に身に付けた、過去に承認と達成感を得て強化され習慣になっている行動と思考。これらは、はじめることが簡単。慣れているためはじめる負担感がほぼない。かつ、やった直後に小さな達成感「上手くできた」が確実に獲得できる。もし、人を相手に行うサービスの場合、相手がポジティブな反応をしてくれる。つまり承認を得ることができる。

その結果、本来、いまやるべき新たな挑戦に関わる小さな行動・思考が後回しになる。確実に劣後する。

気合を入れたところで、念じたところで、意識を高くしたところで、新たな挑戦・取組みは、過去に身に付けてきた習慣に消されていく。

新たな挑戦・取組みに関わる行動や思考は、はじめた直後に負担感が発生する。また、やった直後に確実に、すぐに小さな達成感や承認は得られない。つまり、気持ち良くない、快が得られない。人間、快に接近し、不快を回避する。これは行動科学の原理原則。脳科学・神経科学でも実験検証されている現象。

にもかかわらず、「チャレンジ」「イノベーション」「セルフマネジメント」などのきれいごとをスローガンで口にする。文面にする。これでは何も変わらない。変わるのは自分が置かれている状況が日に日に悪くなる事実のみ。

では、どうすれば良いのか。自分が過去に身に付けた習慣の少なくとも60%は、他の人でも教えていけば再現できる。人に渡してしまい、自分がやらない、自分ができない環境をつくる。とうぜん、新たな取組みにたいして「ほんとうに上手くいくのか?」などのマインドトークが発生する。このマインドトークに3週間程度、耐え、新たな取組みを少しずつでも毎日、続けることで、人間、慣れていく。つまり、新たな習慣が脳の神経細胞が新たなネットワークを形成してくれ、負担感が減少していく。

過去と同じ行動、過去と同じ思考は、いずれ必要とされなくなる。必要とされなくなってから、変わるのは辛い現実に直面してしまう。そうなる前に始めた方が良い。