売り込みでは商売の関係はつづかない

売り込みは商品を相手に入れることが目的。もしくは入金。商品の目的は、相手の問題を解決することにも関わらず。

相手の問題には2つある。

1つ目。相手が問題だと思っているものごと。その問題を解決しても、同じような問題が再度発生するような問題。目先の問題。目の前の火消は大切。火消、つまり対処することが目的化される問題。

2つ目。相手が望む先々の状態がある。その先々の状態に近づくため問題。相手はこの問題に気が付いていないケースが圧倒的に多い。10人中9人は気づいていないような問題。

商売の関係がつづく問題解決は2つ目の問題。2つ目の問題を解決することで、相手の利益が生まれる。相手の利益が生まれるからこそ、自分の利益がつくられる。相手の利益が生まれない1つ目の問題解決をしても、お互いに長く商売はできない。

相手と相手の目先の問題解決の“話をしていく”。その過程で、業界内外の他社・他者の問題解決のインプットをしていく。他社事例を伝えることが目的ではない。相手に不足するインプットを増やし、相手が気が付くことが目的。人間、インプットが偏ると、解くべき問題に気づけなくなる。その結果、目先の問題解決、火消に意識が向いてしまう。

“相手と話をしていく”。これが大切になる。ここで人間の行動原理と原則が発生する。人間、快には接近し、不快を回避する。これが行動科学、脳科学、神経科学の実験結果でわかっていること。体感レベルでも腹に落ちると思います。

話をしていて不快になる人が、どれだけ適切なインプットを与えてくれても、解くべき問題に気づくことは無い。

では、どのような人を人間は快ととらえるのか。人によって快は異なる。ポジティブなものを快と認知する人と、ネガティブなものを快と認知する人がいる。商売を広げていくにはとうぜん、ポジティブなものを快と認知する人、つまり、成長意欲がある相手に絞ることが多い。成長意欲がある相手の場合、快と認知する基本行動は、“声”“目”“口”“言葉”を最低限、まずは抑えると良い。声の大きさは、通常、話をする時の2から3倍。目はまぶたを上げる。口はできる限り開ける。言葉はネガティブなものは避ける。とうぜん、声、目、口の抑揚は必要になる。トレーニングが必要にもなる。しかし、誰でもできること。

上記を踏まえて、相手と話をする中で、相手は本来解くべき問題に気が付く。本来解くべき問題は、第3者からみれば複数ある。その中で、相手が気が付いた問題から解決をしていくのがベスト。人間、人から言われたことは、継続しない。自分で気づき、自分で選んだものであれば、継続しやすくなる。人間は正論やロジックでは、動き続けることはできない。問題解決は終わることはない。目指すものごとが環境により変わっていく。目指すものごとが変われば、解くべき問題は新たに発生する。解くべき問題が無くなることは、商売が衰退すること。だからこそ、続けやすくする必要がある。

流暢なプレゼンをしたところで、本来解くべき問題を相手が発見することは無い。成約に至ったとしても、継続した商売にはならない。相手と関係は深まらない。関係は高まらない。関係は広がらない。

流暢なプレゼンはパターン認識が得意な機械に任せざる終えなくなる。人間が関わる目的が何か。そもそもの話がいま大切になってきている。

2つ目の問題を解決するためにも、1つ目の問題、つまり目先に火消も当然必要になる。目の前の火が消えない状態で、本来解くべき問題を解くことはできない。

“売り込む”ではなく“相手の問題を解決する”。

本質は何か?

何が真因か?

言葉は簡単。

しかし、具体的にどうやるかは簡単ではない。

頭でわかっても、行動できるわけではない。