相手のわかること、できることを増やす。
教える立場にある人。先生や先輩、上司。
10人中9人以上は、マウンティングしながら教える。教えられる立場にある人は、それを受け入れるケースが多い。
第3者の立場になって、この状況を行動科学の眼鏡で観てみる。マウンティングをする要因は、自己肯定感を上げるため。自己肯定感を簡潔にすると「こんなに頑張っている私を認めて欲しい」。こんなに頑張っているのに認められないと思っている人の多くは、努力する方向が間違っていることが多い。自分の利益を優先している。相手の利益を優先していない。口では、言葉では、相手のことを最優先にしていることを言う。「〇〇さんのことを考えて」「〇〇さんのために」このような言葉を発する。しかし、彼女、彼らの日々に行動を観察していると、自分の利益を優先する行動が8割以上を占める。約10年近く、各企業、各組織の優秀な人、そうではない人の行動を仕事がら毎日観察している結果。
つまり、マウンティングする人の多くは、めざましい結果を出し続けていないため、周囲から認めてもらえていない人達。
このような人たちに我慢をして教えを乞うても、結果が出る確率は極めて低い。反面教師として関わるのであれば有効。しかし、それ以上の心理的負担感が増え、自身のパフォーマンスを上げることは難しい。
人をリードする立場にある人は、相手が楽しくわかること、できることを増やして欲しい。人間、できること、わかることが増えて行くと、好奇心がわく。興味関心の範囲広がるもの。自発的になる。誰でも、どんな境遇にある人でも。確実に。
好奇心がない。意欲がない。やる気がない。などと口にするリーダーがいる場合、その根本原因はリーダーにあることを自覚してほしい。リーダー自身の自己肯定感を上げるためにメンバーや部下、生徒を使うのはやめた方がいい。
人間の脳細胞のネットワークは、新たな刺激を必要とし、新たな習慣を身につけようとする特性があると脳科学、神経科学の実験結果からも分かっている。
新たなことに挑戦することは、脳科学、神経科学、認知科学、行動科学を踏まえたコツがわかれば難しくない。
コツがわからないから、挑戦、チャレンジ、クリエイション、イノベーション、デザイン思考などのスローガンが飛び交う。スローガンでは誰も幸せにならない。スローガンを口にする人の自己肯定感を上げるだけ。
人間には良い時と悪い時の波がある。つまり、意図せず人を支えている時期もあれば、人に支えてもらっている時期もある。お互いに相手に利益をはかることが、お互いの利益になる。