人が人に関わる。相手の自尊心を傷つけないように名前を呼ぶ。簡単なのは「○○さん」。○○くん、○○ちゃんは、人によって自尊心が傷つくことがある。
名前を呼ぶ行動は、相手の存在を承認すること。存在を承認されたくない人間はほぼいない。にもかかわらず、相手の名前、特に目指すものごとを実現するために、人に自分の代わりに動いてもらう必要があるリーダーの中に、メンバー・部下の名前を呼ばない人がいることに驚く。
この種類のリーダーの行動を観察しているわかることがある。このリーダーは、既存の需要、その需要へ対処するやり方・ルールを守る、管理する役割を担っている。過去とはことなる未来、変化する事業環境に適応するわけではない。とても真面目。このリーダーのもとでは、リーダーをこえる人は育つことはない。
自分の自己肯定感を維持する、もしくは高めるためにメンバー・部下を悪気なく、条件反射、無意識で使っている。これが事実。メンバーや部下をマウンティングするリーダーが、もっともわかりやすい事例。メンバー、部下のことを考えているようなことを口にはする。しかし、行動を観察していると、そのような行動はしていない。自分の自己肯定感を上げるための行動が圧倒的に多い。
現状維持(現状維持なの存在しないが)型もしくは管理型のリーダーは、需要が減少する事業環境の中では、存在価値がなくなっていく。管理では人間の自発性は生まれない。人間、承認されたり、達成感を得たり、自分で決め自己コントロール感を得ていかないと自発的にはならないため。
需要が先細る事業環境の中で、創造型のリーダーが必要とされている。創造型のリーダーが最低限、何をする必要があるかは明らか。現状維持型、管理型のリーダーがしていることはしない。メンバーと部下を、人間の行動原理と原則にもとづいて動機づける。その具体的なやり方を身に付ける。具体的にわかってしまえば、簡単なこと。
創造型のリーダーは目先の承認、目先の達成感では動機付かない。先々のめざすものごとに向け、自分で決めていくことで生まれる自己コントロールと、目指すものごとが実現した時に得られる大きな達成感を今、この瞬間に先取できる想像力がある。これも訓練をすることで、誰でも身に付けることができるものです。