手を打ってみないと具体的な反応はわからない

到達したいゴールの絵がある。そこに到達するためのシナリオもある程度、わかっている。

シナリオを計画・アクションプランに具体化していく。ここで起こる問題は2つ。
① そもそも、アクションプランが具体化できない。スローガンでとまる
② 具体化できるが、すべてが過去の打ち手の焼き直しになる

こうなるのであれば、計画・アクションプランはそもそも必要ない。

なぜ、アクションプランをつくるのか。今まで成し遂げたことのない到達点にたどり着くため。過去に誰かが成し遂げたことがある到達点であれば、その到達した人の行動と思考をトレースし再現するのが最も効果的で効率的。具体的なやり方をまねたほうが良い。

しかし、事業環境は変わる。テクノロジーにより行動習慣が変わり、思考の仕方も変わる。このような事業環境で何かを成し遂げていくには、他社や自社の常識・前例・成功パターン・定跡を抑えるだけでは、到達ができない。状況を覆す、逆転することはできない。

過去の常識・前例・成功パターン・定跡はできるかぎり知ったほうが良いのは事実。そのうえで、これら常識が「ほんとうに正しいのか?」「ほんとうに機能するのか?」を実験する必要がある。その結果、本筋から外れ、常識外の無理筋の手を打つこともある。

この常識外の無理筋の手を打つ。実際に何が起こるかを事前に想像できないこのとの方が多い。撃てば何かしらの反応がある。その反応を手掛かりに、到達したいゴールに近づくために解く問題、解き方の仮説をつくり、また手を打つ。本筋の手で対処できることもあれば、無理筋の手で対応する必要がある局面もある。

事実にもとづいた意思決定、前例・成功パターンにもとづいた実行。目先、1年程度は進むが、人口が増加していない、テクノロジーが人の生活を変えている環境の場合、1年程度先は確実に落ちていく。常識を知りつつも、常識外に打って出る。需要創造では必要な思考と行動習慣。需要創造は事業開発だけではない。日々の創意工夫もその範疇。ある程度決まったやり方を続けるオペレーション以外の職務では、需要創造が必要になっている。