具体的な問題に直面するから、知識とスキルを使いこなせるようになる。今後、必要になるであろう知識とスキルを事前に教えても、その時間と費用は無駄になる。

具体的な問題に直面していない。今後、必要になると想定される知識とスキルを提供する。具体的なものであれ、抽象的なものであれ。

きっちりとその知識とスキルを身に付ける人がいる。優秀な人と見せられる。興味がわかずに身に付けられない人もいる。問題がある人と思われる。残念ながら、どちらの人も、具体的な現実の問題に直面した際に、問題を解決することができない。

具体的な問題に直面する。その問題解決に役に立つであろう知識やスキルを当事者として探す。「具体的にどう使えば、目の前の問題が解決できるのか?」。実際に使ってみる。上手く行くことは無い。「どうすれば上手く行くのか?」を考える。仮説ができ、再度やってみる。このプロセスを経ることで、知識とスキルは使える状態で記憶される。肌感覚、身体感覚をともなった状態で知識とスキルが記憶される。

肌感覚、身体感覚のともなわない知識とスキルは、優秀そうにみせられても、実際の問題解決は残念ながらできない。