コミュニケーション力?の違和感。自分都合のコミュニケーション力は必要ない

コミュニケーション力は必要なのは実体験でわかる。

仕事で関わる人を観察していると2つのコミュニケーションのパターンがある。

1つ目は「相手のためを口にはするが、実際は自分の利益しか考えていない」コミュニケーション。

2つ目は「相手のためを口にはしないが、明らかに相手の利益を相手の立場に近づこうと、会話をしながら知ろうとする」コミュニケーション。

1つ目は世の中に流通している書籍をまねているケースが多い。雑談、アイスブレーク、話し方など。これらは大事。私もお世話になっている。しかし、使う人のそもそもの目的に問題があることが多い。あくまで自分が押し付けたいことを押し付けていくために、導入時に警戒心を解く目的。テクニック、小手先としては良いと思う。昔の応酬話法集のよう。相手のことを慮っているように、相手に認知させて、こちらが落としたいところへ誘導する。

この手のコミュニケーションをする人とは、ある程度距離をとる必要がある。関係も信頼関係ではなく、金銭の関係。より安い業者さんがいれば、そちらに移る。スイッチグコストはかかるが、小手先を披露する人、それに酔いしれる人と価値をつくっていくことはできないため。程度が悪いと”不安をあおる”言葉を言う人もいる。その場で買わせるテクニックとしては機能する場合もあるが、あくまで自分よりも経験のレベルが低い相手にしか通用しない。

「やったかどうか?」を確認し上に報告、やっていなかったら「なぜ、やらないんだ?」と追求することが仕事になっている管理職と若手の部下の範囲。

金融知識の乏しい相手に、実用性は無いが小難しい理論やわかりずらい横文字を使い、「そんなことも知らないんですか。取り残されますよ」のような煽りを促す、ステレオタイプな専門家の範囲。

2つ目。こちらの数は圧倒的に少ない。10人中1人いるかいないか。当然、商売。ボランティアではないため、お金の話にはなる。しかし、気持ちがよくお金の話が進む。無駄な心理と思考の駆け引きをする必要がない。

お互いに事前に準備は徹底してするが、その準備でアウトプットしたツールを使うことはほぼない。その場で話をしながら、次のアクションが具体的に決まっていく。せっかく事前につくった資料なのに使わない。だから良い。お互いに相手の利益をはかろうとしている。相手の利益をはかることで、自分の利益になることを経験でわかっている。

年齢や経験に関わらない。

プレゼンスキルなどさらに関係ない。1つ目のコミュニケーション力がある人は、プレゼンが流暢なケースが、2つ目に比べて高い。事前に準備されたツールを飽きさせないように披露してくれる。しかし、響くことはない。相手の利益よりも自分の目先の利益が優先されるため、相手の情報を得られていない。相手のことがわからないままで、きれいでロジカルなプレゼンをしてくれる。次は会わない。価値をうまないため。必要なら会わずに発注する。いずれ、人はいらなくなる。ネット上で発注できる業者さんがあれば、そちらへ移る。

小手先のやり口を使い、小さな自信をつけていくのも成長の方法としてはありだと思う。しかし、ある時点から、その小手先を使うそもそもの目的を考えるようにした方が良い。

商売・ビジネスの目的は利益。相手の利益が無くなる中で、自分の利益は得られない。あたりまえのこと。その結果、価値が創れず、値下げやキャンペーンが主な打ち手に変わる。商品、価格、販促。この打ち手なら、人は入れない。

人間が何をするのか?それは明らか。職務記述はした方が良いが、人間が何をしていく必要があるのかを記述する必要もある。そもそも、特定の取引先やお客様が、今後、必要とするであろう、他社がやらない価値を創造し提供していく事業戦略。その事業戦略が昨対〇〇になっている状況で、職務定義をする場合は特に。事業戦略が差別化ではなく、業界同質化になっている状態で、ジョブ型を素直にまじめに進めても無駄に終わるため。

たまには「相手の都合を優先する」「相手の立場を経験してみる」ことが必要。