残念な体験をした。以前、おそらく社会人2年未満の若手の営業担当者から、営業メールを受けとった。8割がた社内で標準化されている定型文面だったが、2割程度、こちらのことを想像したであろう文面が入っていた。会ってみようと思い、日時を調整。
オンラインで営業を受けた。ありがちな会社案内をきれいなプレゼンツールを使っての説明が無いため、好感が持てた。会社案内のプレゼンは、ムダな時間。事前に送っておけばよいだけのこと。
事前に相手に役に立ちそうなwebサイトを準備して、対話する中で自然にみせてくる。これも好感が持てた。
こちらがサービス内容を聴くまで、話してこない。これも良い。金額も同様。
ありがちな自分・自社の都合を押し付けてくる営業パターンでは無かったため、すぐに導入サービスの契約を結んだ。
その後も週に1回はお役立ち情報を送ってきた。こちらの依頼内容に対しても、すぐに返事をしてきていた。相手の立場で想像できる若手営業もいることが嬉しかった。導入商品で結果がでるとは思っていないため、継続した取引をしていく予定と予算を組んでいた。
しかし、2か月ほどたち、打った施策の反応が1つ前のモノに比べて、明らかに悪い結果が出た。「打ち手を変えようと考えています」「今のターゲットを見直したい」とメールを送ったところ、それ以降返事がこなくなった。
数か月たち、契約更新月に連絡があり、次に向け打ち合わせがしたいとのころ。おそらく、上司からの指示だと思う。彼にはオンラインで、何をこちらが期待していたのかを具体的に伝えた。しかし、何も反応が無かった。契約を継続することはしなかった。
「打ち手を変えようと考えています」「今のターゲットを見直したい」という言葉が、彼にとってはネガティブにとらえたようです。行動科学の実験通り、人間、不快を回避する。私が期待していたことは、明確な回答、きれいなツールがなくても、「こちらが目指しているものを具体的に聴いてきて」、「現状の打ち手の問題の原因を一緒に考えてくれて」、「目の前の問題を解決する打ち手と、先々に向けた課題が何かを一緒に特定」このような、プロセスを求めていた。明確な答え、正解なんと、やってみないと、打ってみないとわからないものだから。
しかし、このような思考は無いんだろう。業界で大手の企業だった。パッケージ化からされたプロダクトを効率よく拡販する。自社の都合で進めていく。相手と共働型で仕事を進めていく習慣はどうしても不足する。
踏み込んでくれれば、予算は十分とってあったのに。
このような機会損失が、オンライン営業が仕事の中に入ってくると発生しやすくなる。相手の真意がわかりづらくなる。こちらも相手に、わざわざ伝えることも、なかなかしようとしなくなる。だからこそ、明確な解答が無くても、踏み込んで一緒に試行錯誤をしてくれる人に価値がでる。
これができなければ、人が介在しないオンラインだけのシステムにした方が良い。特にパッケージ化されてものを効率よく拡販する場合は。その方が、ユーザーもラクになる。
彼が弊社に踏み込んでくれることを待っている。私自身、お客様や取引先の方々に、育てて頂いたから。いまだに育てて頂いていますし。