“結果がでる習慣”をオンライン化により無くしてしまうハイパフォーマー

オフライン・直接対面でお客様に接触する場合、結果を出せるハイパフォーマーだった。しかし、オンラインでの営業が続くことで、今まで身についていた“結果がでる習慣”が無くなる。どうすれば良いかと問合せをクライアントから受け取った。

そのハイパフォーマーに同行し、行動を観察しつつ、思考を推測していてわかったことがある。ハイパフォーマーは画面上のお客様が、聴きたいことに対して返答ができていない。条件反射で今までオフライン・直接対面でお客様が必要としてきた知識を披露しはじめる。話をはじめると、知識を披露することで気持ちが良くなる。より饒舌になっていく。見せなくても良い資料を画面共有する。画面上のお客様はためになる話を聴いている。その後に起きたことは「本日はためになるお話をありがとうございました」とお客様が口にした。このハイパフォーマーの営業は、とても誇らしげにオンライン営業を終えた。クロージングができず、次回へつながる宿題・アポも得ていない。

オンライン上の相手の反応を観察するやり方がわかっていない。画面を通じて、相手の思考を想定し、シミュレーションするやり方がわかっていない。そもそも、オンライン上のお客様が必要としていることを、仮説を渡し、ご意見を聴き、お客様が必要としていることを特定しているやり方がわかっていない。このハイパフォーマーは、オフライン・直接対面接触では、お客様の主導権を握ることができる。導入すべきだと圧をかけることもできる。そもそも、お客様と対話を通じて、お客様の問題を想像するスキルを持ち合わせていない。

このような状況に陥るハイパフォーマーは多い。結果が出ない状態を言語化して分析する習慣も不足している。そもそも、そんなことをしなくても、オフライン・直接対面接触では結果が出ていたため。新たなチャネルで取るべき行動と思考パターンがない。そのため、感情に左右され、上手くいかない原因を他責にする。過去、言い訳がないにもかかわらず、言い訳の数が増える。かっての自信が消える。

相手のことを想像しながらも、その想像は間違っている前提に立ち、相手に想像しているものを伝え、それを相手がどうとらえるかを教えてもらう。そのやり取りの中で、お客様が何が解くべき問題なのかに気が付いていく。これは価値。

オンラインは想像力が必要になる。体系だった想像のやり方を身に付ける必要がある。そして、相手と共創の場をつくり、相手と創発していくスキルが必要になる。難しいことではない。抽象的な話でもない。センスでもない。オフライン・直接対面でのやり方とは別に、オンラインでの一連の具体的なやり方を創造・クリエイティビティをベースに構築すれば良い。

想像力が不足するハイパフォーマーは、環境が変わるとローパフォーマーに落ちる確率が高い。想像力は誰でも高めることができる。小手先のテクニックが通じなくなる。相手はいつでもシャットダウンできる状態にある。相手のことをイメージで思考し、言葉と論理で検証するクリエイティブシンキングが不足すると、オンラインでの高単価商材の営業は難しくなる。

この裏で、今までは地味で目立つことがなかったハイパフォーマーの手前の人材が、オンラインで結果を出し始めている。