オンライン営業では“クロージングしない”のが正しい

オンライン営業で“クロージングをかけよう”とする営業担当者がいる。しかし、クロージングはできない。弊社が関わっているクライアント先の範囲ですが、ここで困っている営業担当者が10人中8人以上いる。なぜ、直接対面で営業をしていた時には、できていたクロージングがオンラインではできなくなるのか。

オンラインでは、お客様が営業担当者のクロージングをいつでもシャットダウンすることができるため。営業担当者がクロージングをかけて、押付けてきても、圧をかけてきても、反応しなければそれで、クロージングがシャットダウンできる。

直接対面で営業をする場合、お客様は営業担当者のクロージングをシャットダウンすることが難しい。営業担当者の圧力に負けてしまうことがある。その場から逃げることが難しい。しかし、オンラインの場合、営業担当者がクロージングをしかけてきたら、他のことをする、流すことが簡単にできてします。

したがって、オンライン営業では“クロージングはしない”のが正しい。

では、クロージングをかけずに、どうやってクロージングになっていくのか。お客様が「(クロージングして欲しい)」となるように小さな具体的な行動と思考を組み立てる。お客様が「(クロージングして欲しい)」となった直後に、「〇〇さん、〇〇、やった方が良いですね」と後押しする。まともな営業担当者が増え始めている。

ただし、営業担当者の中で“お客様が「(クロージングして欲しい)」となるように小さな具体的な行動と思考を組み立てる”ことができるのは、10人中1人いるかいないか。具体的な行動で思考できる人は、ごくわずか。それ以前に振返りをし、お客様の反応が良い、悪いを思い出し、良い場合はより良くするために具体的にどうするかの仮説を具体的な行動でつくる。悪い場合は、どうすれば良くなるのかを具体的な行動で仮説をつくる。そこまでやれる人は、ほぼいない。

そのため、営業担当者がオンラインでクロージングを仕掛けなくても、お客様が「(クロージングして欲しい)」となっていくために、マーケティングの段階から一連の流れを設計する必要がある。詳細は“有効商談を増やすエンジニアリングマーケティング”をご確認ください。

お客様が営業をシャットダウンするように、営業担当者は営業マネジャーを簡単にシャットダウンできる。営業マネジャーが営業担当者を育成することは、オンラインが仕事に入ってくるとより難易度があがる。オンラインでは”通常、対面で話をする時の声の大きさを3倍にする”などの小さな行動を変えていく必要がある。これらを上司が部下にやらせようとすると、部下はシャットダウンできる。また、上司の指示も部下はシャットダウンできる。上司が部下をそもそも、“管理”できなくなっていく。管理しようしても、部下はかわすことができる。部下のつまずきを、部下の話を聴きながら、自分の過去の経験もインプットにしながら、想像する。そして、部下のつまずきを”取り除く”ツールを制作するか、もしくは”越えてもらう”具体的で負担感の少ないやり方を示唆するか。そうすることで、部下はできることが増えていく。できることが増えていくことで、人間は自発的になっていく。自発的になっていけば、管理を手放すことができる。

オンラインの営業目的のイベントも同じです。人数が増えるため、よりクロージングをシャットダウンしやすくなっている。オンラインの営業目的のイベントは、参加者は参加し少なっている。そのため、集客がしやすい。しかし、成約率を上げるには、今までの営業のやり方を変える必要がある。

“クロージングはしない”のが正しい。

そもそも、営業がクロージングをかけるとお客様は簡単にシャットダウンできる。

営業組織をオンライン仕様に変えていくポイントは、部下を”管理しない”お客様に”クロージングしない”。それが機能する環境を設計する。

セールテックの導入は、部下を”管理しない”お客様に”クロージングしない”状態ができてのち、パターン化ができる、繰り返しが発生する箇所を特定し、そこに導入する。むやみにセールステックを導入しても、だれも使いこなせない。それ以前に、使うタイミングがない。