まれに相手の利益をはかり続けても、相手と信頼関係が構築できないこともある。では、どうするか?

相手の金銭的な利益を約8年継続してはかっていても、相手と信頼関係がつくれないケースもある。相手がそもそも、人を信頼することができない場合。相手が利益をより多く取ろうとする場合。こちらがどれだけ、相手を信頼し、身を削り相手の金銭的利益を実際に図り続けていても。残念ながら。

この取引先の1つの特徴としてはプロダクトの競争優位性はある程度あるが、人材が定着しない。次の競争力になるものが実はない。

古参の社員が自分の言うことをきかない場合、証拠が残らないように巧みにマウンティングをする。まともな社員が辞めていく。経営者もそれを変えられない。変えると口にはするが、その約束は守られない。経営者はこの手の古参を大事にする。古参の社員は結果は出せていないが、成果を出しているように経営者に印象づける。見せ方がうまい。古参の社員が経営者を上手く使いこなしているようにみえる。組織の目的と目標が形骸化している。

形骸化しているため、社内の序列づくりが仕事の中に入り込む。効率、生産性を方針に掲げ、ツールを入れても変わらない。そもそも、目的が形骸化しているため。つくづく、生産性を下げているのは、人間の感情だと。そのむだな感情を発動させているそもそもの原因は、目的の無さ。

相手が確実に困る金銭的な事実を、目先だけではなく半年から1年先までを言語化し伝える。こちらが相手の利益をはかりつづけていれば、この言語化はできる。そして取引を止めることを伝える。小手先の交渉ではない。相手にも非があることを、相手に気づいてもらう。気づいてもらうが、その非は一切責めない。自分達にもとうぜん、少なからず非がある。その自分たちの非をみとめ、関係を切ると伝える。タイミングは相手が理不尽に暴発してきたタイミングが望ましい。それを事実・根拠・証拠に。

それに対して相手がどう判断するかは相手次第。こちらとしては、取引を続けたいが、取引が終わってもそれはそれで仕方がないとする。取引が止まっても良い状態はつくっておく。

この線引きができていないと、社員が腐っていく。あまりにも社員がネガティブな物事に触れる場合、そもそもの社員のパフォーマンスが下がる。ネガティブは建設的な想像と思考を阻害する。目の前の取引を切ることの金銭的な損害を上回る。ネガティブからは価値創造は起こらない。人間には感情がある。

私自身、30代前半にこのケースに1回だけですが遭遇したことがある。

力関係を変える交渉は極力引けた方が良い。信頼関係で進めた方がお互いのパフォーマンスが上がるため。交渉事、駆け引きでは共働型で価値創造はできない。しかし、どうにもならない相手もいる。相手が利益をより多く取ろうとする場合。その場合は、力関係を変える打ち手を出す必要がある。

この手の取引先の従属変数になるのであれば、徐々に距離を取る。もしくは独立変数に自社がなり、相手を従属変数にするパワーを使うか。そこまでパワーを割くよりも、まともな取引先にパワーを使う意思決定をした方が良い。

口ではキレイなことを言うが、本質をのらりくらりとかわしながら、行動は自分の利益をより多く取る。本人も気づいていないケースもある。善之巡環が実現できない相手も、ごくまれにいる。比率は限りなく少ないが。ネガティブに流されずに、ポジティブな関係をつづけつつ距離をとっていく。この手の人達に、時間を使うことは、損失でしかない。

そもそも、このような交渉のシナリオを具体的に想像と思考をしていることが無駄、非効率的。生産性が低すぎる。この手の取引先がいない領域に行くにはどうすれば良いのか?を思考し、仮説をつくり、それを検証することに時間を使った方が良い。