パワハラ防止、怒りのマネジメントへの違和感

パワハラは消去した方が良い。人を傷つけることはしない方が良いに決まっている。自分の家族や親しい人たちが、そのような状況に置かれることは望まない。

パワーが高い人が、パワーの低い人に対してハラスメントをする。パワーが高い人にとって、イライラすること、不快感があることが発生する。そして、パワーが低い人への攻撃が起こる。目に観えるものから、目に観えない証拠の残らない巧妙なものまである。

この状態を変えるために、人事に関わる部門が、職場で相対的にパワーが高い人に対して怒りのマネジメント手法を身に付けさせていく。怒りをその場で消去する手段を身に付ける。目的はパワハラをしないため。怒りを抑え込む、消し込むことで、ハラスメントを抑え込めるのは事実。

しかし、怒りの発生源になったパワーの低い人との関係性は悪化したまま。信頼関係が生まれない。信頼関係のないところで、何を相手に伝えても、相手は聴いてはくれない。相手にも感情がある。この状況を、パワーの高い人が怒りを抑え込む。抑え込んだ怒りは、別の人に向け暴発することもある。今まで以上に関係が悪化することが多い。これではチームのパフォーマンスは上がらない。

そもそも、なぜ、チームがあるのか?

個人では成し遂げられないゴール・大目的のためにチームは編成されるはず。大目的から考えた場合に、そもそも、怒る必要も無いことが多々ある。些末な気に食わないことがあっても、大目的からとらえた場合、ただの些末にしかなっていない。流すことができる。怒りをぶちまける、怒りを巧妙に出していくことを思考する時間が無駄だと気づくようになる。お互いのパフォーマンスは下がらない。

怒りをその場で抑え込むマネジメント手法は対処療法として、とても価値がある。私の実体験で理解できる。この時の自分は、目的が不明確になっていた記憶がある。数字を追うことが目的化されていた。数字は大事だが、数字をおうことの先にある目的が無かったオペレーターのリーダー。。。どうしても、イライラしてしまい、暴発直前になることがあったため。しかし、組織がある本質、チームを編成している本質からみると極めて違和感が高い。

「大目的がそもそも何なのか?」

大目的がなく、ただKPIなどの数字を追いかけるだけになっていないか?