需要創造をつづける科学の使い方

人間は自分に不快を与えるものごとを回避する。
人間は自分に快を与えるものごとに接近する。

これが人間の行動と思考の根本原理。
人間は脳の報酬系を刺激するものごとを求め動く。

目の前の報酬・快に接近するだけでは、人間は成長ができない。自分が今まで身に付けてきた行動と思考の習慣の範囲から出ることができない。新たな事業環境に適応できない。

今まで身に付けた行動と思考をはじめる際は、負担感が極めて少ない。かつ、その行動ないし思考をした直後に、小さな小さな達成感が発生する。「うまくできた」等の報酬・快。この小さな小さな達成感が、報酬・快になっている。報酬・快が発生するため続ける。人間、気力や根性で続けているわけではない。

繰り返し行動や思考をすることで脳内の神経細胞に新たなネットワークがつくられる。さらに続けることで、神経細胞内の軸索周りの髄鞘が厚くなる。つまり、外部からの刺激の伝達が効率的にできるようになっていく。その結果、意識しなくても、意図しなくても、ある場面に直面すると条件反射、自動的にできるようになる。習熟する。小さな小さな快・報酬を得る仕組みができあがる。一方で、徐々にこの小さな快・報酬は、より小さくなっていく。つまり、快・報酬にならなくなっていく。

これは人間に新たな習慣を身に付けさせる優れた機能だと思う。一方で、新たな習慣を身に付ける場合、どうしても、はじめる負担感が今までよりも高くなり、続ける刺激・強化刺激が得られなくなる。新たなことは、すでにできている習慣にくらべて、快・報酬が得られにくい。やっても上手くできないため。小さな達成感が得られないため。これが新たなことを嫌がる原因。

しかし、このままでは、人間は成長ができない。では、どうやって人間は新たな習慣を身に付け、環境に適応する成長を実現していくのか。

“想像力”がここで必要になる。新たなことをはじめることは、目の前の困難•苦痛を切り抜ける、越えていくこと。人間の行動と思考の原理では、人間は“自分に不快を与えるものごとを回避する”。このままでは、目の前の困難•苦痛を切り抜け、越えられない。想像力はどのように機能するのか。目の前の苦痛を切り抜ける・越えることで、どのような報酬・快が得られそうかを想像する。

想像力が“報酬・快を先取り”する機能を担ってくれることで、目の前の苦痛・困難を切り抜ける・越えるサポートをしてくれる。想像力を意図的に意識的に高める必要がここにある。

「コンフォート(快適)ゾーンから抜け出せ」「人間、挑戦がだいじだ」「イノベーションだ」のような実効性の乏しいスローガンを聴くことがある。確かに大切なこと。言うのは簡単だが、実際にはじめ、つづけることは難しい。すでに快•報酬を得るための脳内の神経細胞のネットワークが創られているため。簡単に得られる快・報酬に接近するのが、人間の原理。脳の仕組み。神経細胞内のネットワークは強い思いや根性、気力で変えることはできない。

コンフォートゾーンから抜け出す、つまり、脳内に神経細胞内の新たなネットワークをつくり、既存の神経細胞のネットワークを使うよりも、より高い報酬・快が得られるようにする。想像力が“報酬・快を先取”する手助けをし、目の前の困難・苦痛を切り抜け・越えていくことができる。

脳科学や行動科学の理論、実験検証結果は、人間が目の前の快・報酬に溺れずに、新たな行動習慣をつくり環境に適応していくための足場をつくってくれる。特定の個人の思い込みや迷信に、無駄な時間を使わずにすむ。人間は環境に適応するために成長をする。成長をするために快・報酬が発生するように脳自体も環境に適応してきたのではないか。

新たな需要を創造するための行動と思考は、現業の習熟したやり方に劣後する。劣後する原因は、報酬・快が得られないため。しかし、このまま現業の習熟したやり方で快・報酬を得続けていても、いずれ、その快・報酬は得られなくなる。想像力を高める体系的なやり方を身に付け、需要創造に関わる困難・苦痛を切り抜け・越えて行く“報酬・快の先取”をできるようにする必要がある。

想像力の用途は無限にあると思います。需要創造に想像力を使う場合は、報酬・快の先取をし、困難・苦痛を切り抜け・越える用途。目の前の快・報酬から先々のより高い快・報酬を得るやり方を身に付け、成長していくために。

クライアント先で「うちの40代以上は、今のポジションに満足して、次の自社の柱になる事業創造をしない」というようなことを聴く。今得られる快・報酬よりも、より高い快・報酬を得るための具体的なやり方を知らないことが一番の原因。今得ている刺激とは別の、需要創造につながる刺激をインプットする興味を発生させる日々の小さく、負担感の少ないやり方をまず、約1ヶ月(21日から28日間)、週に2回以上(1回の時間は数分でかまわない)、続けることで今まで興味をあてていないモノゴトに興味をあてるようになっていく。興味が発生しはじめれば、インプットが増えていく。インプットは脳内の刺激になる。神経細胞内の新たなネットワークの形成に直結する。まずは、ここから。

需要創造、想像は何歳からでも、誰でも取り組むことができる。そのために、スマートクリエイティブマネジメント®︎が開発された。

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