マネージャー、マネージャー候補の人達へ

人間が人間として本来とるべき行動と思考の数が増えている。マネージャーの最も大切な役割は、部下に自らかかわり、部下のできることを安心感の中で負担感少なく、自尊心を傷つけずに増やすこと。昔の圧力のマネジメントは使えない事業環境。「やればできる(だから、四の五の言わずに今すぐにやれ)」「明日までにやってこい」「できるまで帰るな」など。これらの言葉はつかえない事業環境。「やらせる」から「気持ち良くやってもらう」にかわってきている。現状「やらせる」ことをマネージャーが部下にすると何が起こるか?優秀な部下から辞めていく。他の働きやすい環境へ移っていく。もしくは、コンプライアンス違反やパワハラの烙印を押されてしまう。

「なぜ、そこまで至れり尽くせり、お膳立てをしないといけないのか」「そこまで、お膳立てをすると、考えなくなるのでは」このような言葉をいつも耳にします。できることが負担感少なく、自尊心が傷つかずに増えていくと、人間は自発的に考え行動していきます。これが科学で検証された結果です。私もこれには実体験で納得がいく。しかし、頭の中ではもやもやがある。

「今まで、自分が試行錯誤しながら身に付けてきた技術と知識を、相手に簡単に渡したくない」これが根本にあるのではないでしょうか。自分が身に付けてきたことを、部下がすぐにできるようになる。その時、自分のポジションはどうなるのか。身の保身を考える人もいる。気持ちはとても理解できる。

「人間性を高めるため」「自分と部下は一蓮托生。良いことも、悪いことも、行動と運命を共にする」。このように腹の底から納得が行けば問題はない。しかし、この境地に至るには時間と部下の犠牲が必要になる。そのような猶予は無い時代。

「マネージャーは過去に試行錯誤して身に付けてきた技術と知識に頼らず、新たなことをはじめる必要がある」

 それをしていかないと「部下(メンバー)を育てる」と言いつつも、自分の身の保身が優先され、最後は部下をマウンティングし優越感を得る。これでは新たに採用した若手は辞めていく。それは明らか。

リーダーシップを発揮する。チームワーク。一体感。たしかに大切なことですが、これらはすべてきれいごと、建前におわる。本音は身の保身に走るマネージャー。もちろん、マネージャーだけが悪いわけではない。若手にもとうぜん問題はある。

このような事業環境の中で、どのように人材育成をしていきますか?

人の育成は面倒。それが本音ではないでしょうか。残業時間に制限がある。厳しいことを言うとパワハラだと言われる。デジタルマーケティングでこの負担感を下げる。そのような企業も増えて来ています。そうしていかないと、マネージャーがメンタルダウンする確率が高くなる。